設立当初の理事であり、前身となる任意団体の頃より立ち上げメンバーとして活動してきた理事の横山哲也が2024年9月23日に逝去しました。
当法人の歩みを語る上では欠かすことのできず、また練馬の市民・地域運動にも欠かせない第一人者でした。
ここに改めて故人のこれまでの活動に思いを馳せ、心からの感謝の意を表すとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。
このたび、追悼文集『いっぺーにふぇーでーびる ―親愛なる横哲さんに送る―』が刊行されました。
当法人事務局長・幸田良佑が寄せた追悼文を、以下に転載いたします。
横山さんが亡くなったという報せを受けたのは、長い散歩をしようと朝霞台駅から横山さんも一緒になって立ち上げたNPO法人わかちあい練馬の活動拠点「ふらっとほーむ石神井」に向けて歩いていたときでした。ちょうど私は大泉学園通りを歩いていて、大泉学園在住の方がおられたら怒られてしまうかもしれませんが、まだ都営大江戸線も通っていないのに何故この通りはこれほどまでに栄えているのだろうと横山さんに聞いてみようと思っていたのです。
少し前に退院されたと聞いて快方に向かっているのだと思っており、その突然の報せに驚いたと同時に「大泉学園通りはなぜこれほどまでに栄えているのだろう」という私の問いにもう答えてもらうことはできないのかと悲しく思ったことを覚えています。
横山さんに初めて会ったのは18歳の頃でした。まだまだ未熟で至らない、そして話が長くまとまらない、そんな私の話を遮らず最後まで聞いてくれる数少ない大人の一人でした。そして、12歳から親元を離れ東京で一人生活してきた私にとって大切な「保護者」の一人でした。
横山さんは読書家でした。豊島園駅前の「ふろしき」の事務所を借りて相談会を開いていたとき、相談者を待つ間横山さんはいつも本を読んでいました。横山さんには及びませんが私もなかなか本好きでいつも本を持ち歩いています。相談会などでリュックサックを整理したり、私も横山さんと同じように本を読んで相談者を待っているとすかさず私の本を手に取ってタイトルを手帳に書くのです。私の趣味が横山さんにも通じるのかととてもうれしかったことを覚えています。
これから私もたくさん本を読んで、そして勉強して、横山さんの考えや興味関心、課題意識に少しでも触れられたらと思います。
横山さん、本当にありがとうございました。どうかこれからも見守っていてください。
幸田 良佑
いっぺーにふぇーでーびる ―親愛なる横哲さんに送る―, 「横山哲也さんを偲ぶ会」実行委員会, 2025, pp.45-46,
特定非営利活動法人わかちあい練馬 事務局長・理事
NPO共同事務所「サポート練馬」 事務局長
